バレンタインを粉砕せよ!!

『スクエアペグ作戦: グリーン諸島の戦い』

Credits

Game Design & Graphic: Yasushi Nakaguro
Test Play: Not Yet!!


1.0 はじめに

このゲームは1944年2月15日に行われた、アメリカ(米)軍とニュー・ジーランド(NZ)軍によるグリーン諸島ニッサン島に対する上陸作戦をテーマにした2人用のゲームです。1人が連合軍(米軍とNZ軍を合わせてこう呼びます)を、もう1人が日本軍を受け持ちます。なおゲーム上、米軍は登場しないので、以後は連合軍ではなくNZ軍と表記します。


2.0 コンポーネント

このゲームにはマップ、駒(要自作)が用意されています。この他、6面体ダイスを2個用意してください。

※左画像内下のリンクをクリックすると、別タブでPDFを開くことができます。ダウンロードしてお使いください。

2.1 マップ
100 mm x 148 mmのマップが用意されており、戦場となったニッサン島の南東部が描かれています。6角形のマス目を「ヘクス」と呼び、駒を置くマスとして使用します。マップ内にはゲーム・ターン記録トラックと戦闘結果表も印刷されています。

2.2 駒
マップ左上に印刷された13個の正方形の駒を切り出して使用します。背景が薄緑色はNZ軍、白は日本軍です。戦闘部隊を表す駒を「ユニット」と呼びます。その他に2個の情報表示・記録用の駒(マーカー)があります。

ユニットに印刷された大きな数字は戦闘力です。このゲームはユニットに移動力が印刷されていません(6.0参照)。


3.0 ゲームの準備

誰がどの軍を受け持つのか決めたら、以下の順番に従ってゲームの準備を行います。

  1. 日本軍ユニット4個を裏返してよくシャッフルして、椰子の木アイコンが印刷されたヘクスに1個ずつ置きます。戦闘になるまで日本軍ユニットは裏返しのままです。
  2. 左上の兵科記号が青色のNZ軍歩兵ユニット1個と戦闘力3のバレンタイン戦車はゲームの途中で登場します。マップ外に保管しておいてください。
  3. 残るNZ軍ユニット5個のうち、歩兵を1個ずつ緑色の矢印が印刷されたヘクスに配置します。また戦車を1個ずつ、NZ軍プレイヤー任意の緑色の矢印が印刷されたヘクスに配置します。
  4. ゲーム・ターン・マーカーをゲーム・ターン記録トラックの「1」に置きます。深い谷マーカーはゲームの途中で使用します。マップ外に保管しておきます。

4.0 勝利条件

D+5日が終了するまで、以下いずれかの条件を達成すればNZ軍プレイヤーの勝利です。それ以外は日本軍プレイヤーの勝利です。

  • ミッション・ヘクスにNZ軍ユニットが進入した。または
  • 全ての日本軍ユニットを除去した。

選択ルール: 両プレイヤーが望めば、日本軍に以下の勝利条件を追加できます。

  • ゲーム中いつでも、バレンタイン戦車(大隊、中隊を問わず)ユニットを除去すれば、精神的勝利を収めたものとしてゲームは終了します。

ヒストリカル・ノート: ニッサン島におけるバレンタイン戦車の喪失は、機械的故障による第3中隊の1両だけでした。D+5日、タナヘランにおいて戦闘が発生し、バレンタイン戦車が支援を行っています。その際、アメリカの撮影クルーも同行しており、万一対戦車兵器を持たない日本軍にバレンタイン戦車が撃破されるようなことがあれば、センセーショナルの話題になったと考えられます──スクエアペグ作戦開始時の米軍とNZ軍との軋轢が再び生じないとも限りません。この勝利条件はそうした背景を反映したものです。


5.0 ターンの手順

このゲームは「ゲーム・ターン(以下「ターン」と略します)」を繰り返すことで進行します。1回のターンは2回のプレイヤー・ターンに分かれ、各プレイヤー・ターンは「フェイズ」と呼ばれる手順に細分されます。

ターンの手順

  1. NZ軍プレイヤー・ターン
    • NZ軍移動フェイズ
    • NZ軍戦闘フェイズ
  2. 日本軍プレイヤー・ターン
    • 日本軍移動フェイズ
    • 日本軍戦闘フェイズ

日本軍戦闘フェイズが終わると1ターンが終了します。ターン・マーカーを次のマスに進めて新しいターンを開始します。


6.0 移動

プレイヤーは自軍移動フェイズに自軍ユニットを移動させることができます。全てまたは一部のユニットを移動させられます。全く移動させなくても構いません。

6.1 移動の基本ルール
移動はユニットごとに行います。以下の禁則事項があります。

  • 敵ユニットと同じヘクスに進入できません。
  • 敵ユニットに隣接するヘクスに進入したら移動を停止しなければなりません。移動開始時に敵ユニットに隣接しているユニットは移動できません。
  • 自軍ユニットと同じヘクスに進入できますが、そこで移動を終えることはできません(通過は可能です)。ただし、バレンタイン戦車は1ヘクスに何個いても構いません。日本軍ユニットは他の自軍ユニットと同じヘクスで移動を終えることはできません。
  • 陸地が印刷されていないヘクスサイド(ヘクスの辺)を通過することはできません。ヘクスが半分しか印刷されていないヘクスもゲームでは使用します。
  • マップ外へ移動することはできません。
  • 深い谷及びトラハタップ(6.4参照)に進入したユニットはそのヘクスで移動を終えなければなりません。また、自動的に疲労します(6.2参照)。深い谷及びトラハタップで移動を開始するユニットは自由にそこを離れることができますが、移動した距離に関係なく自動的に疲労します。

6.2 疲労
他の多くのウォーゲームと異なり、このゲームには「移動力」の概念はなく、全てのユニットは6.1の制限に従う限り、好きな距離を移動できます。ただし、移動した距離が増えるほど部隊が疲労するリスクが高まります。

各ユニットの移動終了時にダイスを振ります。バレンタイン戦車なら2個、それ以外は1個です。出た目が移動したヘクス数以下なら、そのユニットは続く戦闘フェイズで攻撃することができません。ユニットの向きを変えるなどして攻撃できないことを示します。また、疲労した次の敵戦闘フェイズで攻撃を受けると、戦闘力は「1」になります。

6.3 第14NZ旅団第30大隊
兵科記号が青色のNZ軍ユニットはブルー・ビーチ(マップ外北西部)に上陸して南下してきました。D+1日からの毎ターン開始時、NZ軍プレイヤーはダイスを1個振ります。出た目がそのターンの「+n日」のn以下なら、自軍移動フェイズ開始時に同ユニットを青色矢印が印刷されているヘクスに置きます。そのヘクスに日本軍ユニットがいれば、それを除去して(戦闘による除去と同様に扱います)第30大隊ユニットを配置します。以後、他のNZ軍歩兵ユニット同様に扱います。

バレンタイン戦車の支援: 第30大隊が登場する前にバレンタイン戦車がラグーン移動(6.5参照)を行った場合、次のターン開始時に第30大隊は自動的に青色矢印のヘクスに登場します。これは戦車支援により第30大隊が前進できたことを表しています。

6.4 深い谷の発見
NZ軍ユニットがTorahatup(トラハタップ)に隣接するヘクスに進入したら、NZ軍プレイヤーは直ちにダイスを1個振ります。出た目に対応する1ヘクスに深い谷マーカーを置きます。トラハタップ及びこのマーカーが置かれたヘクスにはバレンタイン戦車は進入できません(歩兵は進入可能です)。もしこの判定を行ったのがバレンタイン戦車であり、自身がいるヘクスに深い谷が現れたら、谷に落ちたものとしてユニットをゲームから取り除きます。

6.5 バレンタイン戦車のラグーン移動
NZ軍プレイヤーは緑色の矢印ヘクスにいる(またはそのヘクスまで移動した)バレンタイン戦車を(米軍のLSTを使って)対岸へ輸送できます。直ちに青色矢印のヘクスへ移動させます。そのヘクスから移動を継続することも可能です。ラグーンを横断している間は移動したヘクス数ゼロとして、疲労判定(6.2)を行います。なお、ラグーン移動を行えるのはバレンタイン戦車だけで、ブルー・ビーチからグリーン・ビーチへの輸送も可能です。

6.6 戦車大隊の統合と分割
自軍移動フェイズ開始時にバレンタイン戦車中隊(戦闘力1)が同じヘクスにいれば、中隊2個を大隊(戦闘力3)1個に交換できます。逆に、自軍移動フェイズ開始時に大隊を中隊2個に交換できます。ユニット交換後はルールに従って移動、戦闘を行えます。統合または分割することによる罰則はありません。


7.0 戦闘

自軍戦闘フェイズに自軍ユニットを用いて隣接する敵ユニットを攻撃できます。戦闘フェイズを行っているプレイヤーを「攻撃側」、相手を「防御側」と呼びます。攻撃側の各ユニットは自軍戦闘フェイズ中に1回ずつ攻撃できます。防御側の各ユニットは1回だけ攻撃を受けます。陸地を含まないヘクスサイド越しに攻撃することはできません。

7.1 日本軍ユニットの戦力確定
日本軍ユニットが初めて戦闘に参加する時、ユニットを表面にします。それまで両プレイヤーとも、日本軍ユニットの戦闘力を知ることができません。ユニットを表面にした後で攻撃をキャンセルすることはできません。

戦闘力0の日本軍ユニットが表面になると直ちにゲームから取り除きます(無事、日本に帰国します。詳しくは水木しげる『敗戦記』を参照)。

7.2 戦闘の解決
攻撃側プレイヤーはどの自軍ユニットでどの敵ユニットを攻撃するのか宣言します。1ヘクスから同時に複数ヘクスを攻撃することはできませんが、複数ヘクスにいる攻撃側ユニットが同じ1つの防御側ユニットに隣接している場合、共同でその防御側ユニットを攻撃できます。攻撃目標になる防御側ユニットがいる1ヘクスごと、以下の手順で戦闘を解決します。なお、攻撃側プレイヤーは戦闘フェイズ開始時に、攻撃の組み合わせとその順番を事前に宣言しておく必要はありません。

  1. 攻撃の宣言: 攻撃側プレイヤーは、どの自軍ユニットでどの敵ユニットを攻撃するのか宣言します。
  2. 戦闘比の計算: 攻撃を行うユニットの戦闘力を合計し、防御側ユニットの戦闘力と比較します(万一、日本軍がNZ軍戦車と歩兵のスタックを攻撃する時は、NZ軍ユニットの戦闘力を合計します)。攻撃側戦闘力:防御側戦闘力の比率をn:1または1:nの整数比になるよう、防御側が有利になるように端数を切り捨て/切り上げします。例えばNZ軍歩兵1個(戦闘力3)で日本軍ユニット(戦闘力2)を攻撃する場合は3:2=1.5:1、端数を切り捨てして1:1とします。
  3. 戦闘解決: 2で求めた戦闘比から、戦闘結果表で使用するコラムを決めます。戦闘比が1:2に満たなかった時、戦闘結果は自動的に「Ae」になります。4:1を上回る時は「De」になります。攻撃側プレイヤーはダイスを1個振って結果を判定します。
  4. 戦闘結果の適用: 戦闘結果を適用し、退却(7.4)と前進(7.5)を行ったら戦闘は終了します。必要に応じて次の戦闘解決に移行します。

7.3 戦闘結果
Ae:
攻撃側壊滅: 攻撃側ユニット1個を除去します。
Ar: 攻撃側退却: 全ての攻撃側ユニットを退却(7.4)させます。
Ex: 相互損害: 攻撃側、防御側とも1個ずつユニットを除去します。複数のユニットが戦闘に参加している時は、所有者が除去するユニットを選びます。
Dr: 防御側退却: 全ての防御側ユニットを退却(7.4)させます。攻撃側は防御側ユニットがいたヘクスへ前進できます。
De: 防御側壊滅: 防御側ユニット1個を除去します。防御側ヘクスが空になったら攻撃側はそのヘクスへ前進できます。

注意: バレンタイン戦車が大隊の時、中隊に分割してからユニット除去の条件を満たすことができます。

7.4 退却
戦闘結果で退却を強制された側は、戦闘に参加した全ての自軍ユニットを1ヘクス直ちに移動させます。以下のヘクスには進入できません。退却できないユニットは除去されます。

  • マップ外。
  • 敵ユニットと同じヘクス。
  • 他の自軍ユニットと同じヘクス(ただしNZ軍の歩兵と戦車は1個ずつなら同じヘクスに存在できます)。
  • 敵ユニットに隣接するヘクス。
  • その退却が禁止されている移動になる場合(陸地を含まないヘクスサイドを越える、バレンタイン戦車なら深い谷への退却など)。

7.5 前進
退却または壊滅により防御側がヘクスからいなくなると、攻撃に参加した攻撃側ユニットはそのヘクスへ移動できます。ただし、その前進が禁止されている移動になる場合は前進できません(NZ軍の場合、攻撃した歩兵ユニット2個が同じヘクスへ前進しようとするなど)。


参考資料: